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年俸制の導入

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カテゴリー
  • 人事労務情報
エントリー日
2009年08月04日

なお続く厳しい経済環境の中、多くの企業にとって人件費の適正化は重要な経営課題になっています。一方で安易な人件費削減は、キーパーソンの社外流出という危険をはらんでいます。
この問題を解決するべく、これまでの年功序列式の賃金体系から成果主義型の賃金体系への転換を検討している企業も多いかと思います。

今回は、成果主義型賃金の典型ともいえる年俸制の導入について解説いたします。


年俸制とは
年俸制とは賃金額を年単位の契約で決定する制度です。賃金決定にあたり社員の業績目標に対する達成度を反映させたい場合に適した賃金制度です。ただし、労働基準法の毎月1回以上支払いの原則から、実際の運用では締結した年俸額を12ヶ月で分割して毎月支給するか、年俸に賞与相当分を含む場合は12ヶ月+賞与対象月数で分割した額を毎月支給することになります。


年俸制導入のプロセス
年俸制導入、運用のプロセスの概要は以下の通りです。

1.年俸制の対象社員の範囲、年俸の体系、役割ごとの年俸額の決定等、年俸ルールを確定し、併せて、適正な評価基準を確定
2.経営計画の策定と目標管理制度の導入
3.就業規則の変更や年俸の支払方法等の労働基準法上の必要手続の完了
4.年俸制対象社員による業務目標の設定、社員との面談による年俸額の決定
5.年俸期間後の業績評価の実施、新年俸の決定


年俸制と割増賃金
年俸制の適用者であっても、その労働者が管理監督者や裁量労働制の適用者で時間外割増賃金(深夜割増賃金を除く)の適用除外者でない限りは、法定労働時間を超えて労働させた場合には時間外割増賃金の支払が必要となります。
この割増賃金の算定に際して、仮に年俸額を16分割して毎月16分の1を毎月支給し、残りの16分の4を年2回の賞与として支給すると定めている場合には、その賞与対象分も割増賃金額の決定の際の算定対象とする必要がありますので注意が必要です。

なお、以下の条件を満たしている場合には、年俸額に一定時間分の割増賃金が含まれているものとして定めることができ、割増賃金相当分として定めた時間を超えない限り、毎月の年俸額に割増賃金を上乗せして支払う必要はありません。

1.年俸額に具体的な時間分に対応する時間外労働割増賃金が含まれていることが明らかであること
2.通常の労働時間に対応する賃金部分と割増賃金相当分が区分することができること
3.その割増賃金相当分が法定の割増賃金額以上であること


年俸制の年度途中の変更は認められるか
原則として、一度定めた年俸額を年度の途中で変更することはできません。
ただし、就業規則、労働契約で予め年俸額を変更する可能性があることを定めており、その内容が合理的に認められるものであれば変更できる余地が残されます(例:職位の変更による年俸改定、等)。また、このような取り決めがない場合にも、個々対象の労働者から同意を得ることで年俸額の変更をすることができます。


年俸制は「魔法の薬」ではありませんが、適切な導入・運用を行えば、社員の貢献を公平に評価し賃金に反映することが可能な制度のひとつです。社員のモチベーションアップ、生産性の向上ひいては企業の業績向上につながります。

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