新型インフルエンザ罹患者への対応
秋以降にインフルエンザ第2波の襲来が懸念されている中、企業においても感染者が発生した場合など、万が一に備えた対策や予防策の強化が求められています。
そこで今回は、新型インフルエンザに対する会社の対応について解説いたします。
出社中の社員に医療機関で診察を受けさせる場合の取扱い
新型インフルエンザの罹患は、原則として、「私傷病」と考えられるため、医療機関への移動時間や診察を受けている時間は、労働時間に該当しません。新型インフルエンザが感染性のある疾病である以上、罹患の恐れがある社員を速やかに医療機関に行かせることは当然の措置であると考えられます。従って、医療機関への移動や診察に要した時間は労働時間ではないと考えるのが一般的です。
ただし、例えば、出張で感染の発祥となったメキシコやアメリカに行き感染してしまった場合や、感染者である取引先担当者と長時間商談したために感染してしまった場合など、業務を遂行する上で新型インフルエンザに罹患したと考えられるときは、業務上の疾病として、医療機関にかかる時間を労働時間として取り扱うべきと考えられます。
新型インフルエンザの罹患が確定し自宅待機させる場合
新型インフルエンザ罹患者は、労働安全衛生法などに定める「就業禁止」の対象となっていますので、新型インフルエンザに罹患していることが明確である場合は、罹患した社員に対し自宅待機を命じることは当然の行為です。
医師や保健所の指導に基づき社員を自宅待機させる場合は、「使用者の責に帰すべき事由による休業」つまり会社都合の休業に該当しませんので、休業手当を支払う必要はありません。
ただし、医師や保健所による指導や協力要請の範囲を超えて休業させる場合などは、会社都合による休業に該当しますので、休業手当を支払う必要があります。
新型インフルエンザに罹患した可能性があるため自宅待機させる場合
新型インフルエンザに罹患したかどうか明確でない時点で、体調不良や発熱などの理由から社員が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱うことになります。一方で、発熱の症状があることを理由に会社の自主的な判断で社員に自宅待機をさせる場合は、会社都合による休業に該当しますので、休業手当を支払う必要があります。
家族が罹患した、または罹患の可能性がある場合に自宅待機させる場合
社員の家族が罹患、又は罹患の可能性がある場合については、濃厚接触者として、社員本人も罹患している可能性が高いと判断されます。従って、出社すれば他の社員に感染させる恐れがありますので、会社の予防策として、一定期間の自宅待機を命じることは可能です。
保健所による外出自粛の協力要請などにより社員を自宅待機させる場合は、会社都合よる休業には該当しませんので、休業手当を支払う必要はありません。ただし、行政協力とは無関係に、会社の判断で自宅待機させる場合には、会社都合による休業に該当しますので、休業手当を支払う必要があります。















新型インフルエンザ罹患者への対応










