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産業保健体制(1)

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カテゴリー
  • 人事労務情報
エントリー日
2009年11月04日

メンタル不調者が増加する昨今、労災認定される精神疾患件数が増加しており、企業のリスク防衛としてメンタルヘルス対策が不可欠な課題となっています。

そこで、企業の「産業保健体制」について、2回に渡り解説いたします。
今回は、法律で求められている産業保健体制について確認します。


産業医の選任
産業医は、労働安全衛生法(以下、安衛法)により従業員50人以上の事業所に選任義務があります。産業医の役割は以下の通りです。


  1. 従業員の健康管理

  2. 従業員の就業可否の判断・就業支援

  3. 医療機関との情報交換

  4. 衛生委員会への参加・職場環境改善のための助言

  5. 感染症の予防

  6. 緊急医療対応等


産業医は、得意分野や専門分野が多彩です。以下のような点に注意し、企業の状況に合った産業医を選任することが大切です。

  1. 自社に要な分野の知識や経験を有している医師

  2. 自社の産業分野に関する知識や経験を有している医師

  3. 企業の立場に立った判断ができる医師

  4. 十分な臨床経験を有している医師


衛生管理者の選任
衛生管理者は、安衛法により従業員50人以上の事業所に選任義務があります。
衛生管理者は国家資格であるため、国家試験に合格する必要があります。下記の衛生委員会の中心メンバーや事務局がこの資格を取得していることが望ましいでしょう。


衛生委員会の実施
衛生委員会は、安衛法により従業員50人以上の事業所に対して設置と月1回以上の実施義務があります。審議事項は以下の通りです。


  1. 健康障害防止のための基本対策

  2. 健康の保持増進のための基本対策

  3. 労働災害の原因及び再発防止対策

  4. 健康障害の防止及び保持増進に関すること等


衛生委員会は法的実施事項を形式的に実施するのではなく、効果的な運用を行うことによって企業内の様々な環境改善が図れます。そのポイントは次のとおりです。

  1. トップの明確な方針の下での実施

  2. 委員会メンバーから職場環境に関する様々な意見を吸い上げ、改善を実施する

  3. 審議事項の範囲を限定しない(これにより様々な改善活動が実施できる)


なお、上記の事業所が建設業等の一定の危険業務に該当する場合などは、衛生委員会とは別に安全委員会の設置と月1回以上の実施義務があります。(ただし、衛生委員会と合同で「安全衛生委員会」として実施することもできます)


過重労働対策
主に労働時間管理をいいます。安衛法により、「時間外・休日労働が1ヶ月当たり100時間を超える長時間労働者であって、申出を行った者」については、医師による面接指導が義務付けられています。また、面接指導の結果、必要に応じて労働時間の短縮等の措置も講じなければなりません。精神疾患の労災認定で特に重点を置かれるのが過重労働であったか否かです。このため、申出のない従業員であっても、月80時間以上の時間外労働を行っている者については、医師による面接指導等を実施することがリスク逓減に繋がります。


健康診断
安衛法により、入社時及び毎年1回、従業員の健康診断を行うことが義務付けられています。また、海外に6ヶ月以上派遣しようとするときや派遣していた労働者を帰国させるときに、「海外派遣者の健康診断」として定期健診とは別に健康診断を行う必要があります。


休職規定の整備
常時10人以上の従業員を有する企業が休職制度を設けた場合、就業規則にその制度を掲載する必要があります。
休職制度の設置自体は義務化されていませんが、従業員が私傷病により長期間欠勤する時のルールを明確にすることは、従業員の安心感を醸成するとともに労使の紛争回避に繋がります。休職に関する多くの判例の中でも、休職ルールが適切に運用されていたか否かが注目されています。休職制度を整備し、規程化して従業員へ周知することがリスク逓減に繋がります。

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