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改正労働基準法と労働時間管理

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カテゴリー
  • 人事労務情報
エントリー日
2010年01月05日

2010(平成22)年4月に労働基準法が改正されます。今回は、「少子高齢化の進行」「労働力人口の減少」「子育て世代の男性を中心とした長時間労働の増加」などの問題が顕在化し、その解決手段としての「社会と生活の調和のとれた社会実現」「労働者の健康確保」「長時間労働の抑制」などを背景として改正され、「労働時間管理」が重要なポイントとなっています。
今回は、改正労基法の概要と、重要なポイントになる労働時間管理について解説いたします。


改正の概要
今回の主な改正内容は以下の4つです。

1.特別条項付き36協定の必要要件の追加
2.1ヶ月60時間を超える時間外労働の割増賃金率アップ
3.代替休暇制度の導入
4.時間単位年休制度の導入

特徴は、改正内容が全て「時間」に関わる部分であることです。この改正に伴い、今後、労働基準監督署の調査が行われる際も、労働時間管理について今まで以上に厳しく指摘されることが想定されます。
それでは、次に労働時間管理について解説いたします。


労働時間の適正把握
毎日の始業・終業時刻の確認を、タイムカード、IDカード、パソコン入力などの電子媒体などを使って客観的に管理・記録している事業所が多くなってきています。そのような電子媒体による管理ではなく、MicrosoftExcel等の表計算ファイルや紙媒体などで自己申告により確認を行っている場合、厚生労働省より以下の措置を講じなければならないと通達がでています。

(1)労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことについて、従業員に対し十分な説明を行うこと
(2)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致してるか否かにつき、必要に応じて実態調査をすること
(3)時間外労働の時間数に上限を設定するなどの措置を講じたり、慣習を作らないこと

表計算ファイルや紙媒体により勤怠管理をしている場合、上記3つについて確認が行われることが想定されますので、注意する必要があります。

<参考>
厚生労働省ホームページ(労働時間の適正な把握のために使用者が構図べき措置に関する基準について)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0406-6.html


残業代の適正計算
残業代を計算するに当たっては、計算基礎となる時間当たりの賃金(時間単価)を求める必要があります。その際、割増賃金の計算基礎から除外できる賃金は、労基法上、以下のように定められています。

(1)家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当
(2)臨時に支払われる賃金(賞与、コミッションなど)
(3)1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(精皆勤手当など)

上記の名目以外で支払われる賃金は、全て割増賃金の計算基礎に含めなければなりません。ただし、家族手当は、扶養家族の有無や数によって算定される手当であればよいので、生活手当や物価手当という名目であっても、実質的に家族手当と判断されれば算定基礎から除外していいことになっています。住宅手当については、住宅にかかる費用に応じて何割かを賄うような手当のことをいい、家賃などに関わらず定額支給されているものは住宅手当とみなされません。労働基準監督署による立ち入り調査などが行われる場合、就業規則の賃金規程や賃金台帳をもとに、実際の残業代に不足がないか電卓を叩いて確認されることもあります。


管理監督者の適正な取扱い
労基法第41条の管理監督者に該当する場合は、労働時間、休憩・休日の規定が適用されないため、深夜労働の割増賃金の支払いを除いて割増賃金を支払わなくてよいことになっています。そのため、労基法に規定する管理監督者に該当するか否かの判断が重要なりますが、具体的には、以下のような事項に照らして判断されます。

(1)経営者と一体の立場にあること。
(2)自己の勤務時間について自由裁量を有していること。
(3)給与面の処遇について優遇措置があること。

上記に基づき、管理監督者の取り扱いについて最低限クリアすべきポイントは以下の通りです。

・採用、考課などの人事権が与えられる等、管理監督の権限をもっており、肩書きだけの「管理職」でないこと
・遅刻・早退による賃金カットを行っていないこと
・役職手当などで給与の 上乗せをし、非管理職の給与との逆転現象がおこっていないこと
・深夜勤務(22時から翌5時の時間帯の勤務)の割増賃金を適正に支払っていること

労働基準法上の管理監督者を拡大解釈して残業代を支給しない、いわゆる「名ばかり管理職」の問題が取りざたされて以降、労働基準監督署は、厳しい指導を行っていますので、注意が必要です。


健康管理の適正実施
労働安全衛生法によ、長時間労働者に対して医師による面接指導に関する定めがあります。具体的には、使用者は、以下(1)に該当する労働者に対して面接指導の実施義務があり、(2)と(3)に該当する労働者に対しては面接指導等の措置を講ずる努力義務があります。

(1)1ヶ月あたり100時間を超える時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が認められる労働者
  (労働者からの申出により実施)
(2)1ヶ月あたり80時間を超える時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が認められる、または健康上の不安を有している労働者
  (労働者からの申出により実施)
(3)事業所で定める基準に該当する労働者
  (事業所の規定により実施)

なお、(3)の「基準」の定め方についてですが、時間外・休日労働が1ヶ月あたり45時間を超えて長くなるほど脳・心臓疾患の発症との関連性が強まると言われていますので、例えば「1ヶ月あたり45時間を超える時間外・休日労働を行う労働者」に対して医師による面接指導を実施する、と定めるとよいでしょう。
医師による面接指導の結果を受け、必要な場合は、「労働時間の短縮」「深夜業の回数の減少」「働く場所の変更」「作業の転換」などの措置を検討してください。

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